「宇奈月〜黒部ダム 新黒部ルート始動」ウェブサイト公開
富山県内随一の温泉街である黒部市宇奈月と、日本一の高さを誇る黒部ダムを結ぶルート、通称「黒部ルート」。
その絶景や歴史などを伝えるウェブサイトが公開。
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https://unazuki-kurobedam-route.jp/
世紀の大事業とよばれた「くろよん」完成からおよそ60年。
黒部奥山の地底に存在する、日本経済を支えた
電源施設群が、一般開放される。
立山黒部アルペンルートと黒部峡谷鉄道がつながるとき、
立山黒部をめぐる新たな旅の物語が幕を開ける。
(「宇奈月〜黒部ダム 新黒部ルート始動」より)
「宇奈月~黒部ダム 新ルート始動」プロモーションムービー
2024年「黒部ルート」が観光向けに一般開放
宇奈月から出発する黒部峡谷鉄道トロッコ電車の終点・欅平駅と、立山黒部アルペンルートの黒部ダムとを繋ぐ「黒部ルート」は、黒部川第四発電所の建設などに伴い、昭和30年代に工事専用軌道として整備されました。
長らく工事関係者しか立ち入ることのできない場所でしたが、1996年からは公募による見学会が始まりました。
そして、2018年に関西電力と富山県が締結した協定によって、安全対策工事が完了した後の2024年に、この「黒部ルート」が観光向けに一般開放されることとなりました。
※新ルート
黒部ダムと黒部峡谷の欅平を結ぶルートで黒四発電所の建設などに伴い、日本電力㈱や関西電力㈱が工事用ルートとして整備したもの。通称「黒部ルート」と呼ばれている。2018年に関西電力㈱と富山県が締結した協定により、安全対策工事完了後の2024年に一般開放を予定している。(「宇奈月〜黒部ダム 新黒部ルート始動」より)
国内随一のV字谷である黒部峡谷の自然環境を守るため、発電所などの電源施設の多くは地下に作られており、黒部ルートも大部分はトンネル区間となっています。
普段はなかなか目にすることができない次の乗り物を、欅平から黒部ダムにかけて乗り継いでいきます。
新黒部ルート概要
ルートの建設の際には、歩荷による断崖絶壁での資材運搬や、作業員宿舎を襲った雪崩、そして温度が160℃を超える岩盤の掘削によって、多くの犠牲を伴いました。吉村昭氏の小説『高熱隧道』の題材にもなっており、今も熱気や剥き出しの岩肌が残るトンネル内は、当時の工事の過酷さを想起させます。
ルート上にある展望地点からは、「裏劔」と呼ばれる東側から望んだ剱岳や、落差125mの「雲切の滝」など、上級の登山者に限られていた大自然の景色を眺めることができます。
・工事用トロッコ電車:延長500m
・竪坑エレベータ:標高差200m
・蓄電池機関車(上部専用軌道):延長6.5km
・インクライン:延長815m、斜度34°
・黒部トンネル内バス:延長10.3km
竪坑エレベーター
200mの標高差を一気に昇降。山の中腹を垂直に貫く巨大なエレベーターは、急峻な地形のため、鉄道を延ばすことができなかったことから、昭和14(1939)年に設置され、建設当時その標高差は日本一を誇った。
高熱隧道
蓄電池機関車で通過する「高熱隧道」は、掘削時、岩盤は160℃を超える温度に達し、ダイナマイトの自然発火等で多くの犠牲があった。現在も岩盤温度は約40℃あり、列車内からでも硫黄臭や熱気が感じられる。
仙人谷
高熱隧道を抜けて、トンネルの外の仙人谷へ。標高859mの鉄橋からは、手前に仙人谷ダム、背後に山々と落差125mの雲切の滝を望む。
インクライン
昭和34(1959)年完成。黒四発電所建設に必要な資材、機材を輸送するために建設され、長さ815m、斜度34°の急傾斜を、20分かけて昇降。この建設工事は、急傾斜の長大な斜坑を掘削するという点で、世界にも例のないものであった。